クライマーズ・ハイ2008
重厚な作品。
新聞社それぞれの立場をしっかり描き、演技が皆凄い。
堤真一が嫌なヤツだけど、記者のプライドとエゴをこれでもかというくらいに表現している。
そしてツボなのはクライマックスで事故原因を掲載しなかったこと。
これは現実で事故の真の原因とは思われていない隔壁原因説の裏をとれていないから掲載しなかったことになる。
ここがこの作品が最も伝えたかったこと。
スクープのために全てを捧げてきて準備したが、本当の裏を取れなかったから掲載しなかった。
これが最終的には疑わしき原因を報じなかったことになる。
瀬戸際で初志を貫いた精神力。
作者は新聞やメディアの役割と精神を世に問うたのだろう。
サブストーリーが少しあったが映画の尺では流石に描ききれなかったか。そこは原作で補完してねという監督の意図なのだろう。
とにかく見応えのある作品であった。
7.0